野良猫を保護するには?注意すべき点や準備について

野良猫

野良猫たちは私たちの身近な存在ですが、彼らが直面する問題は多岐にわたります。餓死や病気、交通事故による死亡など、過酷な環境で生き抜いています。野良猫を保護することは猫にとって健康的な生活と幸せに直結することになりますが、保護の過程で注意すべき点もあります。野良猫は、感染症や寄生虫を持っている可能性があるため取り扱いには注意が必要です。また、捕獲や保護を誤ることで彼らの健康や安全に悪影響を与える可能性もあります。この記事では、野良猫を保護する際に注意すべき点や準備について紹介します。

野良猫を保護するには?注意すべき点や準備について

首輪や迷子札をつけていないか確認

野良猫を保護する前にまずチェックすべきことは、その子が本当に野良猫であるかどうかです。外を歩いているからといっても、必ずしも野良猫とは限りません。もし猫が首輪や迷子札をつけていた場合、飼い猫である可能性が高いです。ただし、猫が外にお散歩に出ているだけかもしれないので、自分で勝手に連れて帰ることは避けましょう。

また、野良猫ではなく迷子である可能性もあります。猫が迷子である場合、首輪や札に連絡先が書かれていないか、近所に捜索願の張り紙が掲示されていないか確認してみましょう。

飼い猫は野生で生きていくための経験が乏しく、生存率が低いため見つけた際は速やかに飼い主の元へ届けるのが一番です。飼い主が見つからない場合は保健所などで迷子の登録をしておくことが大切です。ただし、首輪などをつけておらず、マイクロチップを埋められている猫もいます。保護した場合は、迷子猫であるかどうかを保健所で確認しましょう。

野良猫を保護するのは非常に大切ですが、飼い猫を誤って連れて帰ってしまわないように十分注意してください。猫が飼い猫であるかどうかを確認するためには、首輪や迷子札、またはマイクロチップの有無を確認することが大切です。猫が迷子である場合は、速やかに飼い主の元に戻すよう努めましょう。

周囲に親猫や兄弟猫がいないか確認

子猫の場合は生後8週齢までが大切な時期であるため周囲に親や兄弟らしき猫がいないかを確認することが重要です。生後8週間は子猫にとって身体の成長や社会化とって非常に重要な期間とされています。万が一、子猫が孤独な状態で保護する場合には専門家や保護団体に相談して適切なケアを行う必要があります。

地域猫でないか確認

地域猫とは特定の地域で自然発生的に生活している野良猫のことです。耳の一部をV字にカットする「トラップ・ニューター・リリース(TNR)」と呼ばれる方法により、その地域で管理されています。地域住民のボランティアによって、エサや水の補給、トイレ掃除、病気やけがのケアなどが行われています。また、TNRによって不妊手術が施され、過剰な繁殖を防いでいます。

地域猫は基本的には飼い主の保護を必要としていませんが生き物である以上、健康や安全に配慮する必要があります。例えば、病気やけがをしている場合は動物病院で治療を受ける必要があります。また、交通事故や虐待などのリスクもあるため、安心できる家で飼われることが望ましいといえます。

里親になりたい場合は、その地域で活動しているボランティア団体や保護施設などに連絡をして地域猫の状況や譲渡条件を確認することが必要です。里親になるためには、猫との相性や生活環境などを考慮する必要もありますが、もし里親になることができれば、地域猫の保護や野良猫問題の解決に貢献することができます。

保護する際に準備するもの

捕獲器

野良猫は人に慣れていないことが多いため、逃げたり威嚇されたりするケースがあります。そのため、捕獲機が必要になります。動物病院や愛護団体などで貸し出してもらうことができる場合があるので連絡をしてみましょう。

キャリーケース

捕獲した猫を運ぶためのキャリーケースが必要です。捕獲機の確保が難しい場合、キャリーケースでも代用できる場合があります。猫を飼育するうえでは必要なものになります。

手袋

野良猫はノミやダニのほか、感染症や寄生虫を持っている可能性が非常に高いです。そのため、直接触れないようにする必要があります。また人に慣れていない子の場合は噛みついたり、引っかかれたりすることもあります。手袋のほか、手足が露出しないような服装でしっかりと自身の身体を保護しましょう。

エサ・お水

猫の警戒心を解くためにあると便利です。野良猫の場合、お腹を空かせていることも多いため気を引くことに使えます。

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捕獲方法

野良猫を保護するためには、まずは捕獲器をセットする前に猫の警戒心を薄くすることが重要です。これには、捕獲器をセットする場所で猫にエサを与え続けることが効果的です。あらかじめ慣らしておくことで、猫はその場所を警戒することが少なくなり、捕獲器に近づきやすくなります。また、少しずつ距離を縮めて猫と仲良くなることも重要です。猫は警戒心が強いため、まずは距離を置きながら猫とコミュニケーションをとることで徐々に懐いてくれるようになります。

捕獲器を置く場所は人気の少ない日陰で猫が安心できる場所を意識して探しましょう。また、おすすめの捕獲時間帯は、猫の活動が活発になる薄暗い時間帯である深夜から朝方です。この時間帯に合わせて、猫が空腹になる時間を狙うことがベストです。捕獲器には猫が好むエサを用意しましょう。猫の好みが分からない場合は、少し匂いが強めのエサを用意することをおすすめします。

捕獲器にはペットシーツを巻きつけることが大切です。猫は暗くて狭い空間を好むため、捕獲器内にペットシーツを入れてセットすることが一般的です。しかし、ペットシーツが汚れた場合に取り換えることが難しくなるため、ペットシーツを捕獲器の外側に巻きつける方法がおすすめです。さらに、上下と側面に新聞紙を貼ることで、暗くてあたたかい空間を演出することができます。

最後に近隣住民に事前に話しておくことが重要です。無責任にエサをあげて周辺に野良猫が居つくようになるのをよく思わない住民もいます。そのため、事前に話をして理解を得るようにしましょう。

捕獲後に必要なこと

動物病院

野良猫は病気や感染症を持っている可能性があるため動物病院で診察を受けることが重要す。その際に獣医さんから飼育方法やお世話についてアドバイスをもらいましょう。動物病院にかかる費用は病院によって異なりますが、だいたい1万円前後になることが多いようです。事前に確認するようにしましょう。

飼育環境の整備

動物病院で検査や迷子猫かどうかのチェックが済んだら自分の家で暮らすために準備を始めます。一般的な猫の準備と同じように、トイレ用品、食器、フード、ミルクなどが必要です。野良猫は人慣れしていない場合が多く、慣れるまで時間がかかるため根気強く適度な距離を保ち、ストレスを与えないように注意する必要があります。下記のページで、猫を飼う前に必要なものを紹介していますので、あわせてご確認ください。

野良猫を迎え入れることは飼い主にとして大きな責任が伴います。しかし、野良猫の保護活動は、ひとりひとりが取り組むことで少しずつでも改善されていくものです。猫が慣れるまで辛抱強く時間をかけて適切なケアをすることが大切です。猫を迎える前には準備と情報収集をしっかりと行い、猫との共同生活をスムーズに進めるようにしましょう。野良猫の保護は決して簡単なことではありませんが、その努力は猫の命を救うだけでなく、自分自身の豊かな人生へとつながります。

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