慣れないと難しい!猫の爪切りのコツや注意点について

野生の猫科動物は野外で獲物を捕まえるために鋭い爪が生きていくために必要不可欠です。しかし、飼い猫の場合は、その鋭い爪が人間との共同生活において問題を引き起こすことがあります。そのため、猫の爪切りは飼い主にとって重要なケアの一環となっています。猫の爪を放置しておくと、猫や人間、そして家具に傷がつき、感染症のリスクも生じることがあります。本記事では嫌がる猫の爪を切るためのコツや爪切りの手順について紹介します。

慣れないと難しい!猫の爪切りのコツや注意点について

爪切りを放置すると危険!?

野外で生活している猫は木に登ったり獲物を捕まえたりすることで自然に爪の適切な長さを維持できます。しかし、室内飼いの猫にはそうした機会がないため、飼い主が定期的に爪切りを行う必要があります。特に高齢の猫では爪研ぎの頻度が減るため、注意が必要です。

猫の爪切りを怠ると猫だけでなく飼い主の方もケガをするリスクが高まります。猫の爪は人間の皮膚を簡単に切り裂くほど鋭くなるため定期的に確認して適度な長さを保てるように注意しましょう。猫に引っかかると、ケガだけでなく感染症のリスクも考えられます。代表的な感染症としては「猫ひっかき病」と「パスツレラ症」が挙げられます。

「猫ひっかき病」は、バルトネラ菌と呼ばれる細菌によって引き起こされます。主に子猫に引っかかることで菌が体内に侵入し、リンパ節が腫れる感染症となります。症状としては、倦怠感や頭痛、発熱、のどの痛みが伴うこともあります。「パスツレラ症」は、パスツレラ菌によって引き起こされる病気です。咬傷や引っかき傷などの外傷部位は数時間以内に腫れて赤くなる特徴があります。免疫力の低下している人や、糖尿病など基礎疾患を抱えている人は、症状が重くなり、命に関わることもあります。

また、爪切りを放置して爪が伸びた状態の場合が長引くと壁紙や家具などもボロボロになって見た目が損なわれてしまうほか、賃貸物件の場合は退去時の費用が高額になってしまう可能性もあります。

猫の爪とぎと爪切りの違い

猫は自分で爪をといでいるから大丈夫と思われがちですが「爪とぎ」と「爪切り」は異なる役割を果たしています。爪とぎの役割は外側の古い爪を剥がして新しい爪を出すことです。新しい爪は先が鋭くとがっているため、布やなどに引っかかりやすくなっています。爪切りは、その鋭い爪の先を切って安全を確保するための手段となります。

爪切りを怠ると鋭い爪の先がカーテンやカーペットに引っかかり、爪が根元から折れて出血するなどのケガのリスクが高まります。また、爪が過剰に伸びると肉球に刺さって化膿する可能性もあります。肉球は猫にとって敏感な部位であり、痛みを強く感じるため歩行にも支障をきたすことがあります。また、複数の猫を飼っている場合は猫同士のケンカやじゃれつきで大ケガに発展することもあります。

爪切りのコツ

猫の体勢を整える

最初に猫を後ろから抱きかかえます。猫がリラックスしていて落ち着いているときに行うことが重要です。お気に入りの場所でくつろいでいるときなどが適しているでしょう。また、バスタオルなどで猫の体を包むことで視界を制限し、猫をおとなしくさせることもあります。猫の好みや性格に合わせて、最適な体勢や状況を見つけることが大切です。

後ろ足から切り始める

個体差はありますが後ろ足の爪から始める方が多くの場合切りやすいです。ただし、猫によっては足を触られることを極端に嫌がる場合もありますので慎重に判断しましょう。少しずつ切りながら猫の反応を見て慣れさせることが重要です。猫の反応に注意しながら安全かつストレスの少ない方法で爪切りを進めましょう。

外側から順番に

猫の爪切りを行う際には猫の体の外側、小指側から切っていくのが良いでしょう。親指側の爪を切ることを嫌がる猫が多いため、最後に行う方が良いかもしれません。ただし、猫の個体差や好みによって異なる場合もありますので猫の反応をよく観察しながら判断しましょう。

何度かに分けて切る

すべての爪を一度に切ろうとせず時間をかけて切ることで猫のストレスを軽減させることができます。また、爪切りのセッションを複数回に分けることで、猫にとって負担が少なくなります。例えば「今日は1〜2本だけ切る」といった具形で何日かに分けて切る方法があります。猫の反応や様子を見ながら適切なペースで切っていきましょう。

バスタオルやネットで包む

猫の身体をすっぽりと包むことで猫は落ち着いてくれることがあります。バスタオルや洗濯用のネットなどを使用して、猫の身体全体を優しく包み込みましょう。このようにすることで、猫は安心感を得てリラックスしやすくなります。ただし、包む際には猫の呼吸や動きに十分な注意を払い、窒息や不快感を引き起こさないようにしましょう。また、包まれている間に爪切りを行うのであれば素早くかつ慎重に行って猫がストレスを感じないように気を付けましょう。

それでも難しい場合

猫が嫌がっている状態で無理に爪切りを行うと猫が爪切り自体を嫌いになり、ますます難しくなることがあります。猫が暴れたり手に負えなくなったり、噛みつこうとする場合は無理をせずに獣医師やトリマーに相談しましょう。

専門家は猫の取り扱いに慣れており、適切な方法で爪切りを行うことができます。獣医師やトリマーに相談することで猫の安全を確保しながら爪切りを行う方法や必要な場合の鎮静や麻酔の使用についてのアドバイスを受けることができます。猫の健康と安全を最優先に考えて専門家のサポートを受けることを考えるのも一つの手といえます。

おすすめの爪切り

ギロチンタイプ

ギロチンタイプの爪切りは円状の刃に猫の爪をさし込み、グリップを握って爪を切るタイプの爪切りです。このタイプの爪切りは動物病院などでよく使用されており、固い爪でもスムーズに切ることができます。初めて使う場合はギロチン型の爪切りが怖く感じるかもしれませんが慣れてくると使いやすくなるでしょう。もし不安な場合は、かかりつけの獣医師に使い方を教えてもらうことをおすすめします。獣医師は正しい使い方やコツを教えてくれるだけでなく、安全に爪切りを行うためのアドバイスもしてくれます。

ハサミタイプ

ハサミタイプの爪切りは手前の刃先にある半円形のくぼみに猫の爪をあてて使用するタイプの爪切りです。このタイプの爪切りは、一般的な文房具のハサミと同じ仕組みを持っているため、猫の爪切りに慣れていない方でも扱いやすい形状です。ハサミ型の爪切りは特に子猫の柔らかい爪をカットするのに適しています。爪の成長が早い子猫の場合、頻繁に爪切りを行う必要がありますが、ハサミ型の爪切りは柔らかい爪を繊細に切ることができます。

愛猫と飼い主さんのケガ予防のためには定期的な爪切りが重要です。一般的な目安としては、1か月に1回程度の頻度で行うことが推奨されています。ただし、個々の猫によって爪の成長速度や状態は異なるため、必要に応じて調整することも大切です。爪切りを行う際は無理をしないことが重要です。爪切りがスムーズに行えるようにするためには日頃から猫とのスキンシップを心がけることが大切です。猫にとって触られることや手入れを受けることが自然な体験となるよう、積極的に触れ合う時間を作りましょう。また、ポジティブな経験として爪切りを行う際には、おやつや褒め言葉を使って猫を褒めることも効果的です。

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