猫が毛玉を吐くのは生理現象であるため、基本的には心配する必要はありません。ただし、苦しそうに吐く、頻繁に吐く、急に吐かなくなるなどの場合は、病気が原因である可能性があります。今回は、猫が毛玉を吐く理由や頻度、病気の症状、毛玉が原因となる「毛球症」、正しいブラッシング方法などについて解説いたします。
毛玉を吐く猫と吐かない猫…健康なのはどっち?問題ない頻度とケア方法
猫が毛玉を吐く理由
猫が毛玉を吐くのは、グルーミング時に飲み込んだ毛を体外に排出するためです。 通常、飲み込んだ毛は便と一緒に排出されますが、量が多い場合は胃や腸で凝固してしまうため、毛玉を吐き出すことで排出します。 便や嘔吐、どちらの方法であっても問題ありません。猫の体質や被毛の長さによって、排出方法は異なります。 毛玉を吐くことは、大抵の場合、心配する必要のない生理現象です。しかし、猫の健康を維持するためには重要なことなのです。
吐き出す頻度
猫によって個体差はあるものの、月に数回程度毛玉を吐く場合は心配する必要はありません。一方、全く吐かない猫もいれば、長毛種や換毛期には1日に数回吐くことがあります。 しかし、激しい嘔吐を繰り返すと、食道や胃を傷める可能性があります。吐く頻度が異常に多い、または吐いた後に元気がない場合は、ブラッシングなどの毛玉対策を実施する必要があります。
受診が必要な場合
猫が毛玉を吐くことは一般的ですが、以下の症状が見られる場合は異常です。
・何度も繰り返し吐いている
・吐き戻そうとするが、何も出てこない、または胃液のみが出る
・吐いたものに異物が混じっている
・よく咳き込んでいる ・食欲がない
・元気がない
・毛繕いが頻繁になった
・毛玉が増えた
・下痢や便秘になった
・便に大量の毛が混じっている
これらの症状がある場合は、毛玉以外の問題が考えられます。誤食や中毒などが原因である場合もあるため、早めに獣医師の診察を受けるようにしましょう。病気によっては、すぐに対処しなければならない場合もあります。
毛玉予防について
ブラッシング
愛猫のストレスを軽減するために、ブラッシングは1回につき約3分程度としましょう。 長毛種の場合は、1日2回程度、短毛種では週に3回程度のブラッシングが理想的ですが、抜け毛の量に応じて調整してください。 なお、猫の被毛は一定の方向に向かって生えており、流れに逆らってブラッシングを行うと毛が引っ張られて猫が嫌がることがあります。 ブラッシングは猫とのコミュニケーションを深めるためにも良い機会ですので、猫が好むブラシを使って丁寧に行いましょう。
猫のブラッシングを開始する際には、アゴや後頭部、首周りなど、猫が嫌がりにくい場所から始めるのがポイントです。 もし猫が嫌がらずにいた場合、次に背中や腰、そしてしっぽにブラシをかけていきます。最後に、胸元やお腹のブラッシングを行います。 猫がリラックスしているとき、たとえば食後などは、ブラッシングのチャンスとなりますので、積極的に取り組んでみましょう。 ブラッシングの際は、猫が痛みを感じないように力加減に気をつけ、もし猫が嫌がる場合はすぐに中止することが重要です。
1年に2回ある換毛期(3月と11月)には、通常よりも丁寧なブラッシングが必要です。換毛期には、猫の抜け毛が最も多くなり、グルーミングが増加し、毛玉の発生率も高くなります。長毛種はもちろん、短毛種も十分なブラッシングを行い、飲み込む毛の量を減らすようにしましょう。
ブラッシング以外の予防法
ヘアボールコントロールといった毛玉対策のためのフードや猫草が効果的です。 毛玉ケア用のフードは、腸の働きを整え、便と一緒にスムーズに毛玉が排出されるように、食物繊維を豊富に含んでいます。 猫草は、胃を刺激して毛玉を吐き出しやすくする効果があり、嘔吐で毛を吐くタイプの猫に特におすすめです。 また、毛球症は日常のグルーミングから起こるものであり、獣医の治療が必要になる場合もあります。ペット保険に加入しておくことで、治療費の負担を軽減できます。 保険会社によっては、獣医師に日常の健康相談ができるサービスがあるため、気軽に相談できる場合もあります。
猫の毛玉が不安な場合は病院へ
猫が毛玉を吐く頻度は個体差が大きく全く吐かない猫もいれば週に数回吐く猫もいます。ほとんどの場合は生理現象であり、心配する必要はありません。 しかし、毛玉ケアを怠ると、胃腸疾患や毛球症につながるリスクがあるため、日々のブラッシングや食事管理が重要です。 特に換毛期には抜け毛の量が増えるため、愛猫の負担を減らすための工夫が必要です。
愛猫の健康にとって、毛玉対策は欠かせないものです。毛玉が原因で起こる病気には、胃腸疾患や毛球症などがあり、これらの病気は放置すると深刻な問題に発展することもあります。日々のケアを怠らず、定期的な獣医師の診察も受けることで、愛猫の健康を守りましょう。毛玉ケアについての情報をしっかりと把握し、愛猫にとって最適なケア方法を見つけましょう。